ある結晶のa軸、b軸、c軸の方向(ベクトル)を
(Ax,Ay,Az)、(Bx,By,Bz)、(Cx,Cy,Cz)
とします。この成分を使って以下のような3×3行列Rをつくると…
このときRの逆行列の列成分は
それぞれa,b,cの逆格子ベクトルa*=(A*x,A*y,A*z), b*=(B*x,B*y,B*z), c*=(C*x,C*y,C*z)になることがわかります(*は掛け算ではなく添え字です)。
この関係を使うと複雑な三角関数を使わなくても面間隔や面間の角度が直感的に計算できます。
たとえば(hkl)面を表す次のベクトル
v = h a* + k b* + l c*
はそのベクトルの長さが面間隔の逆数を意味しており方向は法線の方向を意味しています。
ちなみに3×3行列の逆行列は一応公式があって
という式を使って解くことが出来ます。
実空間の格子定数を(ベクトルではなく)とあらわした時、逆空間の格子定数
は次のように定義されます。
逆空間格子の体積は、
と実空間格子の体積
には
の関係があります。
そして、ある結晶面の面間隔を
とした時、実・逆格子定数との関係は以下のようになります。
さらに、
とすると、
という関係があります。
ついでに、以下のような関係もあります。