4.0. 概要
ステレオネット投影とは、単位球面上の点を平面に写像する方法のひとつです。
本機能は、任意の指数の結晶面・軸の方位をステレオネットに投影します。
4.1. メインエリア
中央の部分には、選択した結晶の結晶面・晶体軸のステレオネット投影が表示されます。
マウス操作
以下のようなマウス操作を受け付けます。
- 左ドラッグ: 結晶を回転
- 右ドラッグ: 拡大
- 右クリック: 縮小
- 左ダブルクリック: 投影方法切り替え
左ドラッグで結晶を回転させると、メインウィンドウを通じて全てのウィンドウの回転状態が更新されます。
また、マウスを動かすと画面上部に緯度と経度に相当する「Tilt X, Y」の角度が表示されます。
4.2. File menu
表示されているステレオネットを、ファイルに保存する、あるいはクリップボードにコピーします。
また、設定した回転軸と回転速度で動画を保存することも来ます。
4.3. モード
描画対称
描画対象 (結晶軸/結晶面) を選択します。
投影方法
ステレオネット投影方法を選択します。
等角投影
いわゆるウルフネットです。角度関係を保持した投影方法です。ただし、面積(立体角)は保存されません。
等積投影
いわゆるシュミットネットです。面積(立体角)を保持した投影方法ですが、角度関係は保存されません。
以下に、等角投影の場合と等積投影の場合のステレオネットの輪郭を示します。等角投影では経線と緯線は必ず直交しますが、ステレオネット中心部と外縁部で同一立体角の面積が変化することが分かります。一方、等積投影では、面積の変化はありませんが、角度関係が保存されないことが分かります。
等角投影
等積投影
4.4. Indices
描画する結晶面/晶帯軸を設定します。
範囲で指定
このモードでは、uvw, あるいは hklの指数の範囲を指定します。
任意の指数
このモードでは、特定の指数の結晶面/晶帯軸を指定します。指数を設定した後、 「追加」 ボタンを押すことで、描画リストに加わります。「削除」ボタンを押すことで削除できます。「等価な指数を含める」 をチェックすると、結晶学的に等価な結晶面/晶帯軸を全て描画します。
4.5. タブメニュー
表示
サイズ
点の大きさや文字の大きさを指定します。ライドバーで調節できます。文字サイズはステレオネット上の点の横に示す指数の大きさを調整します。点サイズはステレオネット上の点の大きさを調整します。
色
点、文字、ステレオネット輪郭線などの色の設定を行います。
輪郭
ステレオネット輪郭線の表示方法を指定します。
大円
大円とは、球の中心を通る面と球面とが交わる曲線 (円) のことです。例えば、赤道や経線は大円の一種です。大円を定義するためには、大円上の点と直交する方向 (すなわち極方向)か、大円上の2点を指定する必要があります。結晶学では、前者(極方向)のことを「晶帯軸」とよび、大円上の方位集合を 「晶帯」 と呼びます。
大円を描画したいときは以下の二つのオプションで大円の方位を指定し「追加」してください。大円を取り除きたいときは「削除」してください。
晶帯軸の指数
晶帯軸の指数で大円を指定してください。
晶帯に属する結晶面
晶帯に属する2つの結晶面 の指数でしてください。
4.6. 3D 描画
「3D描画」をチェックすると、ステレオネット投影の方法を三次元的に表現するコントロールが表示されるとともに、以下のオプションが現れます。
方位リセット
(結晶方位ではなく)描画方位をリセットします。
球面の輪郭
球面の輪郭を表示します。
投影補助線
投影の補助線を表示します。
奥行フェードアウト
奥行のフェードアウト効果を調整します。
指数ラベル
指数ラベルを表示します。
半球表示
上半球にある投影対象点のみを表示します。
ステレオネット
ステレオネットの輪郭を表示します。
以下に、同一の結晶方位で等角投影と等積投影の比較を示します。