話を始める前にいくつか標準的な数学表記の定義をしておきます。
| \(\mathbb{R}^n\) | \(n\) 次元実数空間のことです。 |
| \(O(n)\) | \(n\)行\(n\)列の正方実数行列 \(M\) であって、\(M^{tr}M=I\) を満たすもの全体を指します。なお \(M^{tr}\)は\(M\)の転置行列、\(I\)は単位行列です。長さと角度を保つ変換の全てであり、群の要件をすべて満たします。任意の直交行列の行列式 (determinant) は \(\pm 1\) であり、\(+1\) のもの(固有直交変換)と \(-1\) のもの(非固有直交変換)に分類されます。\(n=3\) の場合は、前者が回転、後者が鏡映・回反・対称心操作に相当します。 |
| \(SO(n)\) | \(O(n)\)の中で行列式が1である集合です。すなわち \(\mathbb{R}^n\) 空間の回転の全てです。こちらも群であり、\(O(n)\)の部分群となります。\(S\)はSpecialの略です。 |
| \(S^n\) | \(n\) 次元単位球面のことで、\(S^n = \{ x \in \mathbb{R}^{n+1}| \ \|x\|=1 \}\)と定義されます。\(n+1\) 次元において原点からの距離が1である点の全体です。普通の (3次元の) 単位球の表面は\(S^3\)ではなく\(S^2\)であることにご注意ください。肩の数字は球体を表現する次元ではなく球の表面の次元です1。 |
- \(S^1\) は円周、\(S^2\) は球面、\(S^3\)は球体です ↩︎