5.0. 概要
このツールはピークプロファイルを適当な関数でフィッティングし d 値をもとめ、最小二乗法で格子定数を求めるという一連の作業(以下)を行います。
- 対象となる結晶をリストから選択しておく。
- 回折線をマウスでドラッグしてピークになるべく重なるように調節しておく。
- フィッティングを行いたい回折線の指数をチェックリストボックスから選択する。
- 独立な指数を何本か選んで最小2乗法が計算可能になると、画面右下に最確な格子定数が表示される。
- 「選択結晶に適用」 ボタンをおすと格子定数がプログラム本体の結晶に反映される。
5.1. 結晶リスト
メインウィンドウで表示される結晶リストと全く同じものです。回折ピークをフィッティングしたい結晶をチェックし、選択してください。チェックだけしても、選択されていないと、フィッティングが有効になりません。
5.2. 回折ピークリスト
選択した結晶の回折ピークリストが表示されます。フィッティングを適用したいピークに対して、リスト左側のチェックを付けて下さい。
テーブルの内容は、CSV形式で保存、あるいはクリップボードにコピーできます。クリップボードにコピーしたデータはエクセルにそのまま貼り付けることができます。
5.3. フィッティング条件
ピークプロファイルをフィッティングする際の細かい設定が出来ます。
範囲/初期半値幅
計算上の回折線位置から「範囲」で指定した範囲をフィッティングの対象とします。
「初期半値幅は、プロファイル関数の初期半値幅を指定します。
「全てのピークに適用」ボタンを押すことで、指定した範囲及び初期半値幅が全てのピークに適用されます。
ピーク関数
Simple Search
現在の回折線の位置から「範囲」 内にあるもっとも強度の強い点をピーク位置として認識します。
Symmetric/Split Pseudo Voigt / Pearson VII
左右対称あるいは左右非対称の、擬似フォークト関数あるいはピアソン(VII)関数でフィッティングを行います。具体的な関数形状についてはこちらをご覧ください。特段の理由が無ければ安定性に優れた「Symmetric Pseudo Voigt」をお薦めします。
パターン分解
選択された2本以上の回折線の 「範囲」 に重なり合いがあるとき、ピーク分解を行うかどうかを選択します。「個々の結晶に対して」を選択すると結晶ごとに独立にピーク分解を行います。「全ての結晶に対して」 を選択するとすべての結晶に対して「範囲」の重なりが考慮され、ピーク分解を行います。
5.4. Remove Peaks
フィッティングしたピークを減算し、新しいプロファイルを出力する機能です。減算したいピークを調整後、出力したいプロファイル名を指定して 「Remove fitted peaks」 ボタンを押してください。
5.5. Send d-values
省略
5.6. 最適化した格子定数
最適化した格子定数および誤差が表示されます。格子定数の自由度とピーク数が同一であった場合、あるいは自由度のない格子定数に関しては、誤差は 「NA」 と表示されます。
この格子定数を選択中の結晶に反映させたいときは 「選択中の結晶に適用」 ボタンを押してください。
この格子定数はクリップボードにコピーすることもできます。コピーしたデータはエクセルにそのまま貼り付けることができます。