2.0. 概要
メインウィンドウで「プロファイル情報」アイコンをクリック、あるいはチェックボックスをチェックすると次のようなウィンドウが立ち上がります。このウィンドウでは、プロファイルの細かい設定を行います。
2.1. プロファイルリスト
これはメイン画面のプロファイルリストと同一の情報を表示します。
上下矢印 ボタン
プロファイルの順番を変更します。
削除 ボタン
選択したプロファイルを削除します。
全て削除 ボタン
全てのプロファイルを削除します。
線の色
クリックするとリストで選択しているプロファイルの描画色を変更できます。
線の幅
プロファイルの線の太さを設定します。
名前
プロファイルの名称を設定します。
コメント
自由コメント欄です。
2.2. プロファイル処理
選択したプロファイルに対して様々な処理を施す機能を提供します。
各項目をチェックすると、詳細設定が表示されます。1~7の順に処理が施されます。
1. 2θ オフセット
角度分散のデータに対して、角度の補正をおこないます。補正式は tan(θ) に関する二次関数です。内部標準試料(=格子定数が既知の試料)を含んでいるプロファイルの場合は、「Calibration using an internal standard」ボタンを押したのち、メッセージに従って処理をすると二次関数の係数を自動で決定できます。
2. マスクと補完
指定した角度範囲(あるいはエネルギー範囲)をマスクし、マスクした範囲の左右両サイドの情報を用いてプロファイルを補完します。プロファイル中に意図せぬスパイクが現れた場合などに使用します。
「Set Masking Range」をチェックした状態で、メインウィンドウにて左ドラッグすると、マスク範囲 (濃いピンク色) が追加されます。また、その左右両サイドには、「Point No.」 で指定した数値の幅を持つ範囲 (薄いピンク) も表示されます。薄いピンク色に含まれる強度分布を用いて、マスク範囲が補完されます。補完関数はn次の多項式であり、その次数は 「Polynominal order」で指定します。
追加した領域を削除したい場合は、「Delete」あるいは「Delete all」ボタンを押してください。
3. Smoothing
選択しているプロファイルに平滑化を施します。平滑アルゴリズムはSavizky-Glay平滑化という方法です1。
4.Bandpass filter
選択したプロファイルをフーリエ変換し、指定した周波数より大きい、あるいは小さい成分をカットしたのち、逆フーリエ変換を施します。
5. Remove Kα2
選択したプロファイルの線源が、Kα1とKα2を分離していないX線であり、かつKα1を指定して読み込んでいる場合、これをチェックするとKα2由来の回折強度が除去されます。
6. Background
バックグラウンド減算を行います。
B-spline curve
Auto detectを押すと、自動的にバックグラウンドを計算し、減算します。最大でいくつまでのバックグラウンド制御点を自動検索するかをPoint No.で設定します。手動でバックグラウンドの制御点を変更することもできます。メイン画面に描かれた丸い制御点をマウスでドラッグして適当な曲線を作ってください。
Reference
選択したプロファイルに対して、別のプロファイルをバックグラウンドして指定することが出来ます。
7. Normalize intensity
指定した横軸範囲の平均値あるいは範囲内の最大値が、指定した強度になるようにノーマライズします。
全てのプロファイルに対して適用 ボタン
1~7まで (6. Backgroundを除く) の設定を全てのプロファイルに適用します。
2.3. 軸変換
選択したプロファイルの固有情報 (単位、入射線の種類、入射線のエネルギーの値など)を変更します。この機能は、本来ならプロファイル読み込み時に設定すべきであった横軸や横軸の情報を、後になって変更したいときに使います。
メインウィンドウにも、横軸を変更する機能がありますが、それはプロファイルを画面表示する際に横軸を変更しているだけであり、プロファイル固有の情報を変更しているわけではありません。
2.4. Profile operator
複数プロファイルの平均化やプロファイル間の算術演算を行います。
計算対象のプロファイルと行いたい演算を指定した後、「計算」ボタンを押すと演算結果が新しいプロファイルとして出力されます。
出力プロファイル名はデフォルトでは 「Result # 01」となっていますが、変更もできます。
- Savity-Golay平滑化とは、注目している位置 x から ±Point Number 分のデータに対して Order で指定した次数の多項式関数による最小2乗法フィッティングを行い、求まった関数 F(x) を改めて x 位置の強度値として採用するという方法です。Order=1のときは単純移動平均になります。 ↩︎